両立を図る上で出てくる悩み

女性の社会復帰がしやすい環境が整っている中、出産を経て介護士の仕事に復職する人も少なくない。復職は収入の確保による生活の安定や、気持ちの充実などメリットが得られる反面、子育てとの両立を図ろうとすることで出てくる悩みもある。

その一つが職場で感じる疎外感だ。介護業界は慢性的に人が足りていない状態のため、残業や休日出勤を強いられることもある。しかし子供を保育施設などに預けている場合、決められた時間に迎えに行く必要があるので定時で帰らざるを得ない。
周囲が望まない残業をしている中で自分一人だけが先に帰ることで同僚との間に溝ができてしまうケースも珍しくない。有料老人ホームのように入居者が施設で生活をしている所で働く場合、日勤と夜勤のシフト勤務が基本だ。夜勤の度に友人や家族に子供を任せていたことで関係が悪くなってしまう事例もある。

子育てとの両立を図るには職場や周囲の人間に理解を求めなくてはいけない。子供の面倒を任せられない状況にある人は、夜勤のない勤務地を選択したり、24時間体制の託児所がある介護施設を選ぶのも一つの手段だ。
特に託児所がある介護施設は同じように子育て中の人も多いため、悩みを相談できるというメリットもある。送り迎えもすぐ近くで、時間の節約にもなるだろう。
ただしこうしたメリットだけでなくデメリットもあるため、託児所のある介護施設に関する情報を集めて、よく検討することが大切だ。

なお、両立を目指して頑張り過ぎて精神的なストレスが蓄積してしまう人もいるため、気をつけなければならない。1日の時間が決まっている以上、全てのことを完璧にこなすのは難しいのが実情だ。
相手の感情に敏感に反応する子供にストレスを溜めた状態で接することはマイナスになる。無理のない形で続けられるように適度に自分を許すことが両立を成功させるコツだ。